稚内港から宗谷湾に出て、ノシャップ岬を越えると、静かな海がたちまち荒れだし、波に揺られ大きな船体もゆったり
とした動きで左右に揺れ出す。北海道の本土から離れ日本海へ出て行く始めのコースに興奮しながら、最上階のデ
ッキに上がり次々に目に映る炯眼を楽しんだ。
「ようこそ礼文島へ」山の中腹の看板に迎えられ、稚内から約2時間の船旅で礼文島に到着する。なだらかな山が
港までせりだす、山岳島の姿を身ながら礼文の記念すべき一歩を踏み出す。常に潮風に吹きさらされる環境にI高い
樹木が全然無く、一気に海抜数千メートルの高原に不時着したようだ。
南北縦に長い礼文を巡回バスは時計方向に廻りだし、澄んだ海の青さと白波の立つ海岸線を周回する。
礼文最北端に位置するスコトン岬である。
対岸の島は周囲4kmの「海馬(とど)島」と言われる無人島である。冬になると「海馬島」周辺の岩礁に
トドが体を休めることがある。天気が良く、視界が良ければ遠くサハリンの島影を望む事が出来るとい
われるが残念ながらその姿は見る事が出来なかった。
北の海のロマンを感じさせるところでもあるが、周囲はご覧の通り、海に囲まれ、常に烈風が吹きまくっている。
スコトン岬に唯一の民宿がこの烈風から身を守るように、この展望台の配下の岩影にある。
◇最北端スコトン岬
礼文島西海岸の元地から始まる海蝕崖は10数kmにおよび、絶壁と岩礁に白波立つ炯眼は自然環境に
恵まれ、秘境の気分をたっぷり味わう事が出来る。透明度の高い真っ青の海に白波、何処を撮っても絵
はがきになる素晴らしいところ。豊かな自然から魅了する「礼文」の一つである。
◇澄海(すかい)岬
□礼文島
◇最果ての夢の島礼文島
礼文島は海にせりだす奇岩などの名勝と一方では「花の島」とも言われている。
4月にミズバショウが群落を作って咲き始め、6〜7月にかけてレブンコザクラ・レブンウスユキドウなど
礼文固有の可憐な花が咲き競う。この花の季節も礼文の魅力の一つである。

ノシャップ岬を越えると激しく波立ち、船は揺れだす。
前方に見えるのは最初に上陸する礼文島
◇稚内から礼文へ
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