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□愈、何万年を飲む
グラスについだ、焼酎を基調に南極の氷を入れ、リンゴ酢を若干落とす。
愈何万年の気泡が抑圧の世界から開放され、再び大気に戻る、歴史的な瞬間である。
グラスの側面と上部から、色鮮やかに光輝く、幻想的な世界に目を奪われる。
光の反射によって、黄色から橙色へ、結晶の表面が丸で月面のようであったり、モザイク模様のステンドグラス
に不思議な模様が生み出される。
氷をアルコールに浮かべ、そっと耳を傾ける。思い切り弾けた気泡が心地よい響きで何万年の世界の鼓動が
伝わってくる。
□光と輝きの中で
そのかもし出す、輝きと繰り広げられる気泡を確かめながら
ゆっくりと、舐めるように飲む。
飲みかわす度に揺れ動く氷から、新たな気泡がまるで生命力を
持つ、生き物のように、吹き出す。
飲めども、一向に解けず、氷の塊を残したまま、とうとう飲み干して
しまった。
満身にアルコールが時間と共に浸透し心地良い気分に包まれる。
何とも良い口当たりに、留まる所知らずにドンドン入ってしまう。

降り積もった雪が積み重なって圧縮され出来る気泡が
数万年から数十万年前の大気が冷凍保存されている、地球上の原点
に立ち返る贅沢な感動の:一時である。
氷解のメカニズを解き明かす、科学考察実験の筈であったが
とうとう呑ん兵衛の本性むき出しの、飲み会となってしまった。(笑い)
(slide- auto 写真2枚)