一夜開けて、2階の窓を開けたら、一面の銀世界にびっくりした。丸で雪国のようにすっぽりと雪に包まれていた。
植え込みのヒバ、つげに積もり、郵便ポストに丸い帽子を被り丸みを帯びたその姿は数段重ねの石塔のようで
あった。この大量の雪塊はブドウ棚にも重くのしかかり、棚の竿は折れ、曲がってしまった。
見た目に堅牢そうな竿もこのような加重には全く、無力で柵がぐしゃりとお辞儀し、惨めな姿を晒していた。

<二回目の雪では、積み上げた雪で、自転車は完全に没する。上の写真と同じ位置にあり、如何に積雪が凄いか
物語っている。膨大な雪の量を前に、腰と腕でスコップを使って積み上げるが、一向に進まぬ雪かきに、ため息ば
かり。「俺がやらねば誰がやる。」この不毛の世界を何とかしなければと思うが、老いもあって腰を叩き、気力の闘い。
孤軍奮闘に普段余り使わない、腕のしびれは限界で悲鳴を上げている>

<植木、郵便ポストは完全に雪に没する。積もった雪は崩れず、柔らかいウエーブが自然に生れた芸術作品である>

<2階から見下ろす、大パノラマの世界。道路は元より、手前の植え込みは雪に埋もれる>

家の門に接する外側の路地は一面に積もり、道路は完全に車は入って来れなくなった。僅かな靴の踏み跡が難渋を
究めながら雪中行軍の様子が伝わって来る。何時もならオートバイで配送する新聞屋のお兄ちゃんも、新聞の束を肩
から背負い一軒一軒、行軍ラッセルの配送姿は正に雪との闘いであった。