購入は定かではないが昭和44年(1969)頃である。
メーカ名:COLUMBIA。型式:TFC-100
古色蒼然たるカタログがネットに載っていた。海上を白波を立てながら、赤い帆を膨らませたヨットが疾走している。
「♫ くらしに夢を家庭に音楽を・・・」が、売り言葉に販売促進を図っている。ほんわかした当時の夢が、こんな
形で追っている。
馴染みのCOLUMBIAのロゴマークの脇に技術に生きるコロムビアと社是を表看板にしている。
色あせた写真と当時の時代を語る万博 (1970年3月)のロゴマークと万博出展参加の文字が踊って居た。世界を
檜舞台に競い合えるのが「万博」であったのであろうか、今やその「万博」も余り、響かなくしまった。

別の部分でTFC-100 については「大出力を誇るホームラジオOTL回路採用の歪みのない音質」と宣伝している。
現金正価 9,900円

電子部品の日進月歩の発達を背景に小型で高機能の記憶素子や集積回路から、バンド選択、選局、音量等々、
押しボタン化され、好みの局をワンタッチで操作するのが、殆ど、主流である。
しかし、このラジオは聞きながら、ダイアルを廻し選局し、音量調整するつまみをひねりセットする、今や影を潜めた
アナログ方式である。
ラジオを含めた電化製品は今や安い労務費を背景に東南アジア製が殆どで、純正の国産品が殆ど、消えてしまっ
た昨今を考えると貴重なメイドインジャパン製品である。往時は安かろう、悪かろうで、品質も劣ったが、今や遜色
なくなってしまった。巨大なマーケットを背景に中国、台湾、韓国が力をつけ、かってのメイドインジャパンは何処も
力を失った。