◇調査結果から『熊鼠』『ドブ鼠』2種の存在が認められた

これまでの発生状況をヒアリングし、室内、屋根裏、床下、建物外周壁について徹底調査にかかる。
その調査結果から、天井部外行動自由な『熊鼠』と床下部分の多数の鼠穴から床下部分を生息する『ドブ鼠』
の存在が認められることであった。
その存在は以下の屋根裏と床下からの調査から明らかにされた。

一番大きかった穴は勝手口と配管の部分であるが、その生生しい堀り跡。
敵(溝鼠)は柔らかい土を堀る習性と侵入ルートを探しあてる掘削能力と探索能力を供えている。軍事境界線を難なく潜り
抜け、住み心地の良い、世界に出没することが出来るのである。
音もなく、深く潜行する敵には監視の目が全く届かず、全く無防備、敵は我が世の春とばかり潜伏破壊工作が脈々と行わ
れていたのである。

作業服に作業帽、防毒マスくに身を固め、普段見ることのない床下の世界、更に地中の深層の世界へ潜っていき、
敵殲滅を目指す。経験から生まれた鼠実態を背景に鼠穴など痕跡を一切見逃さないプロの技の世界に入ってゆく。
作業服は真っ黒に汚れ、正に土にまみれ、床下の息苦しい湿気漂う、厳しい環境の中へ厭わず、突き進むプロの
最前線の姿である。
深々と潜り、先ずは敵の痕跡を追い、次の展開に移る。カメラを通して、地中の世界を赤裸々に撮へられる。

天井板に所々のシミは広範囲にわたり、尿の跡が見られる。

大天井には明らかに異様な異物が特定場所に散見された。
尿と糞とも併せ、屋外での木の実、皮、木片など食い散らかした食べ滓なども見られる。
天井下に、冷蔵庫などがあると、冷蔵庫の排気熱が壁伝いに、天井部分を温め、鼠の格好の生息場所にもなって
いるようで、その痕跡もあった。
移動自由な彼らの生活拠点が外敵もなく、適宜な生活環境が、此処を駐屯基地にしてあちこちに移動し、食料を
得て此処に戻ってくることが、堂々と行われていた。

糞の長年の進化が菌となってこのような姿にと言われているが・・・。深い闇の中、こうした神秘的な営みが行われて
いることが、明らかにされる。

建物のコンクリート基礎の沿いの地下部分が深く掘られ、鼠穴が見られる