□横田サムライ太鼓
一つの太鼓をフィールドに前述の男女一組の呼吸のあった共演。打ち興じる演奏は見事で、絵になる。
二人の演技に取り巻きの掛け声と太鼓のリズムは心地よく響きわたる。
真に迫る二人の演技は何処までも続く。
日本の和太鼓の衣装に身を包み、ダイナミックに繰り出される和太鼓の響きに、日本人以上になりきった
横田軍属に熱いものが、感じられる 。
逞しい男性に混じって紅一点の洋もの姉さん、真っ白い肌がまぶしく、鮮やかな打ち手の一人として、逞しく力強い
打ち出しが一際目立つ。
更に、もう一人、天性の柔らかな体を十二分に発揮した黒人軍属のパフォーマンスに、演奏は更に盛り上がる。
柔らかい手首、全身バネの効いた動きは日本人にない体の柔らかさと、まさにリズムに乗り移った自然な姿は
黒人特有の音感が、不思議な世界を生み出している。
燃える様な真っ赤なハッピ姿、背中の白抜きの大きな文字で「侍」の一文字は大変目立つ。
真っ赤な鉢巻き姿の揃いのユニフォームは横田基地に所属する米軍人を中心として結成されている「横田
サムライ太鼓」の雄姿である。
伸びきった足と鍛え抜かれた全身の筋肉体質はさすが筋金入りの現役の軍属とその中の真っ白な肌の
女性を交えた集団が日本文化の象徴である侍の看板に日本太鼓の世界に心酔しきっている。
15集団が集結する関東太鼓大合戦の日本人の若者に混じって異色の集団の一つである。
サムライ太鼓のリーダー役が中心になって、迫力ある演奏が展開される。
スキンヘッドに鉢巻き、一人だけ手っ甲を巻き、粋な出で立ちに半身に構える姿はどう見ても日本人
そのものである。すんなり伸びた手足、眼光鋭く、鼻筋高い顔形の典型的な欧米系人であった。
ジーゼル発電装置と音響装置の引き回しから、太鼓の据え付けなど舞台装置の据え付けから、たどたど
しい日本語の案内役まで、彼が背負っている。
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