□最初の漁場で

すわっ!!ブルブルとした当たり
「はい!!目標50m」漁師からの指示で、仕掛けを下ろす。
リールから勢いよくつり糸が海中へ。10m単位の色識別をしっかり読みながら、50mをカウントし、リールを
ロックする。しかけを下ろしてまもなく、拝の竿にブルブルとした当たりが、手に伝わってくる。
30cmクラスのかつおが、ピチピチとはねながら、つり上がった。
船首側では既に釣り上げていたが、船尾側では最初の獲物に興奮する。
手に伝わった、あの感触に、期待感を持たし、二の矢三の矢を射るが、当漁場では最初で最後であった。
廻りを見ても誰もつりあがっていないし、当たりらしきもない。
とするとあの仕留めた一発はなんなんだろう?
竿の上げ下ろしにさっぱり当たらぬ漁果に小1時間程たったのだろうか、当初の興奮から目も冷めたが
余りにも単純な繰り返しと、麗らかな陽気に睡眠不足がたたって睡魔に襲われる。
「ははあ〜釣何んてこんなもんよ」とお天道さまがせせ笑うようだ!!、
獲物に見放され、さっぱり当たりなし、竿を放り投げて、横になりたくなった。

船の反対側も同様にあみこませとおきあみの餌付け、仕掛けが絡みつるなど慣れるまでは手間取る。
陽がまともに差し込み暑い位、海上はべたなぎ、周辺漁場には他の漁船も目白押しに集まる。

漁場へ到着、隣のN君、早速こませかごに、あみこませを
入れてる最中。
こませかごには約8分目がベストと言われている。

あみこませを入れ終わったら、餌となるおきあみを針付けし、海中へポトリ。
既に船首側はすでにしかけを下ろしているが、先物狙いは一番の釣り上げを目指し、あせりも出てくる。
皆、乗り遅れまいと船上では無言の戦いが始まる。