殆ど南方系に生息する猿が、此処列島北端の動物園でも見られる。珍種の猿の出会いがあったが、何故か
申し合わせているかのように入園者に顔を背け、何時も背中だけ見せ、その尊顔を見届けるのに辛抱強く、
待たなければならなかった。恥ずかしがって見せないのか、僅かな振り向き顔を何とか捉えることが出来た。

アフリカ中部から東部にかけての熱帯雨林にすむサル
見事な白と黒の色を基調に尾っぽに渡る豊かな毛が、優雅な姿をかもしだしている。
これが、本当に猿?と思えるぐらいに神秘的な動物である。
全身を覆う豊かな毛に毛皮として徴用されることを目的に以前は狩猟されていたようであった。

マレー半島周辺に住む小型類人猿。オス・メスのつがいと子供からなる群れで生活する。
他の群れとなわばり争いをするため、夫婦ペアーで他の群れ集と戦うのか夫婦の絆は深く、その愛を確かめ
るために声高らかに猿の遠吠えを行うと言う、妙な行動がある。
どんな吠え方か、一度は拝聴したいが・・・。
しなるような細木を高速で鮮やかに腕渡りする高い運動能力を持ち、檻の中ではその技を引き出し再現する
ための舞台作りを常備しているが、その演技には出会えなかった。

体を丸めしゃがみ込み、懐に抱え込む様に赤ちゃんを抱き、じーと動かぬ様は母子の熱い絆を見る様である。
透明のフード越しに目の前で、そんな微笑まし姿が自然に観察出来る。
肌けた姿に物憂げに深く沈考するする姿はどこかのおっさんにも見えるが・・・。

アフリカ大陸中部の水辺のある森で主に果実を採食して生活している。美しいサルでブラッザは発見者の
名前である。
「おーいこっちにむいてくれよ～」「う～ん。うるせえ～な」とかったるい様におもむろにこちらに顔を向ける。
さて、その尊顔は水戸黄門のようにゆったりした白いヒゲで通称「黄門ザル」と言われる位に伯爵のよう
な立派な顔をした美しさはサルの中でも1、2を争うと言われている。
その尊顔を拝むだけでも御利益がありそうな、品格を感じる雰囲気であった。