車で文化センターから海側の中華街へ向かう。古(いにしえ)の建設時代の時間経過は多くの同士を失ってしまった。
勢い良く走り抜ける車中から「此処の近くがSさんの家だよ」とUさんから教えられる。その同士の一人、事務長
Sさんは万雑貨屋さんであったことが、思い出されるが、既に他界されたお一人である。
中華街のゲートで降ろされ、Uさんの先導で当日の会場に向かう。右手にはしっかりと杖が「今年から世話になってね、
もう、離せない位に、楽なんだよ」と言われているが、3本足はステップも軽やかに足どりは流石早い、早い。

集合場所の文化センターのロビーに迷いなく到着、広々とした空間に、果たして何処にと思ったが、
記憶の中にある姿と風化された姿のギャップが埋め難く、目の前の来館者を目で追ったが探しあぐ
ねた。人探しに挙動不信な姿が目に映ったのか、先着された一団から手招きされ、合流することが
出来た。一先ず迷走せずに合流出来たことにホット一息、何年ぶりかの再開が懐かしく、嬉しかった。

いち早く海外に門戸を開き、事始めは横浜から、そんな背景から生れた一つが美術の世界で規模も
大きく、数多くの作品が出品されてあった。
案内されるまま、「ヒト並じゃだめなんだ!!」の画伯の作品の前に、画伯の取り組んだ姿を思い浮かべ
ながら成果を確かめる事が出来た。芸術に疎い素人に下手な評価は画伯に対して失礼であるが、
人間こうも打ち込むと姿、形が自然と画伯になってしまうのである。