chejuへ予定通り到着。機内の乗客が狭いおりから弾き出されるように先を急ぐ、通関、入国手続き、現地通貨の
換金を済ませ、行列待ちにならない様に猛烈なダッシュで到着ロビーに出る。
仕切りを越えると、ロビーではご覧のような夥しい数の旅行社が左右にずらりと並びそれぞれの看板を振り
かざしながらの出迎えを受ける。
名もない拙宅のようなおっさんも出迎えの熱い目線を一身に浴び、丸で舞台の花道を渡る様なスター気取り
であったが、いやいやそれは勘違い、迎える側のお客さんの人探しであることが判った。
左右キョロキョロ目配せしながら、黒のスーツ姿で身を固めた先方のFocus Tours社の文映姫(monn young hee)
を見つけ出す事が出来た。
これから3日間世話になる方に「アニヨン」のご挨拶をする。その人だかりの固まりが、段々と膨らみ、同行するツアー
の顔なり、姿がこの時点ではっきりしてくる。
「うっ～う」、おばさんばかりの群れに、一瞬の躊躇いもあったが、その殆ど旅慣れした優しい人達であった。

気軽な旅とはいえ、国と国の移動はそれなりの管理下に置かれ出入りは
チエックを受ける。
chejuにはビザは不要。出入国手続きも韓国への入国管理カードのみで
出国管理カードは不要で煩わしい手続きはかなり簡略化された。
昔も昔、右も左も判らない時代の海外旅行に「どうやって書くんだ」と手続き
処理に機内で狼狽したが、回を重ねるごとに学習機能が働き、未だその感
覚が残っており、手続き処理の呪縛から多少開放された。

いよいよチエックインのゲートに向かう。靴まで脱がされ、これでもかと犯罪者扱い
の厳しいボデイチエックに水も漏らさずの完全な水際作戦であった。荷物検査、更に
出国手続きを済まし、外部と隔離された搭乗前の管理エリアに入り、ホット一息する。
これで安心することなく搭乗カウンターで入国申告書を貰い、搭乗前に書き込みを
済まし、狭い機内ではもう手続き書類を書く事も無くなった。
左は入国申告書であるが、韓国内住所はホテル名だけで良かった。
「さあ～て七面倒な手続きは終わったぞ～」
と緊張感も溶けて、空腹感にビッフエでサンドイッチとビールを取り、搭乗前に早くも
祝宴モードとなってしまった。

成田の旅行会社カウンターへ7時45分、時間厳守の集合に脅かされ、朝4時に起き5時の電車に乗り込み
京成のスカイライナーに乗り込み、成田第一旅客ターミナルに何とか滑り込みセーフ。
神田、日暮里、成田と荷物を抱え、走れ走れで、成田までは乗り換え含め3時間弱は実に遠い道のり
朝の早い便は時間との戦い。

09:45 KE-718は予定より若干遅れて、離陸。
フライトを待つ間、ガラス越しにどんよりとした雲、降雨に水溜まり
も出来、やはり雨男であった。傘をさしての旅はいやだなあと
思っていたが、天のお恵みでchejuでは日が差していた。
機内は満タン、華のcheju路線はドル箱路線か鰯の缶詰のように
ぎっしりと客で埋まっていたが、見る所、殆ど日本人であった。
きびきびした案内をこなすスチュワーデスは背はスラリと高く、勿論
容姿端麗、豊かな黒髪で丸髷に長いかんざし風の姿に独特の民族
スタイルで身を固めている。
「ああここで既にイヨンエが目の前で微笑みをかけてくれる」(笑い)
にまるでお登りさんのように目を見張ってしまった。
アクセントのある日本語ではあるが、会話に事欠かず国内便と全く
違和感がなく空の旅が出来る。
かっての韓国の往復はともかく鶴のマーク一辺倒であったが、こう
して身近にKALを利用できるのも時代感覚のづれを見る様であった。