島の南側に近づくにつれ、その雰囲気も徐々に南国風になり、シュロの街路樹が建ち並んだ道路を抜けると
そこが済州島最大のリゾート地、中文リゾートである。
その中文リゾートで最も最初にお目にかかるのが「ロッテホテル済州」なのである。
見た瞬間にホテルというよりも宮殿と思ってしまう壮麗な建物が印象的である。
このホテル、世界５大ホテルの一つにも数えられたリゾートホテル「The Palace Of The Lost City
(ザ・パレス)」をモデルに設計されたホテルなのである。
同ホテルを設計したWAT&G社がこの「ロッテホテル済州」の設計も手がけ、『愛と夢の宮殿』と言う
コンセプトで作られた。

2003年４～９月までNHKBSで放送されイ・ビョンホン、ソン・ヘギョが、演じた「オールイン～運命の愛」は
ここから数々の名場面が生れた。
夜になるとこのホテルのシンボルでもあるオランダ風の風車がライティングされるが、この風車をバック
にベンチに座ってスヨンがイナに誕生日プレゼントを差し出すシーンが撮影されたため、撮影後、この
ベンチはオールイン･ベンチと呼ばれている。
その佇まいにオバサン軍団は感嘆の声をあげ、その場面を思い浮かべ目の前の風景に心酔し
きっていた。「あ～あ、とても幸せそう～」
韓流と言われ騒がれ、何故に此れ程までに夢中にさせるのであろうか、日本のTV番組の衰退振りを
裏返す様に日本で失った物がごく自然に茶の間に入り、国を越えたブームを巻き起こしたようだ。

大きな回天ドアーに戸惑いながら明るく光がさしこむロビーに入る。金ぴかのエレベータで下りて、階下の中庭に出る。
写真の通り、外観も宮殿なら中庭も宮殿の雰囲気を持ち楽しめるように、ゴージャスな客室に囲まれている。
風車小屋、白鳥ボートで周回出来る池、屋外プールが違和感なく、目に入り異国情緒たっぷりの雰囲気を作っている。
プール脇には火山風のモニュメントが据え置かれ夕刻に行われると光と音の火山ショーが繰り広げられ、たっぷりと
夢の世界へ家族ぐるみ楽しめる。

エントランス前には大きな複数の馬のブロンズ像が今にも動きそうな躍動的な姿で出迎えてくれる。
荘厳な建物の玄関口を一際際立て、豪華な気分にせき立てられる。
揃いのユニフォームで身を固めたホテル係員の会釈に、ラフな姿での入場が何となく気恥ずかしい思いが
するそんな雰囲気の建屋であった。

ホテル規模は、500客室。昼間は観光に夜はカジノや中庭に繰り広げられる夜のショーも客室から、
たっぷり楽しめられる。
因みにその料金は1泊、278,000～445,000won('06-04現在で円換算レートは大凡1/8)であった。
思いで作りもそれなりの滞貨がかかり、溜息まじりに、これも夢の世界でもあった。