スエーデンのクリッパーライン社主のハンセン氏の
プライベートヨットとして建造され、世界の富豪や
著名人を乗せて、クルージングツアーに就航したそうだ
船の前後に大きなマストは帆船なのだ、その帆姿は
更に優雅なものであろう。

さて、その乗り心地は如何なものか?
船橋から吸い込まれるように船へ急いで見た。

白い大きな船体に2本のマスト、其処に舟があるから乗りたくなる。
巨大なエントツから黒い煙を上げながら今にも走り出しそうな客船
ではあるが、もうその役割を終え、洋上に浮かぶ巨大なレストラン
なのである。
フローティング・レストラン　スカンジナビアは昭和2年（1927）
にスウェーデンで建造された。
旧船名は「ステラポラリス」（北極星）と格好良い。
客船ヨットとしてバルト海や大西洋、地中海などをクルーズしていた。
昭和45年（1970）、日本にやってきたステラポラリスは海に浮かぶ
レストランスカンジナビアとして、ここ沼津市西浦海岸に錨をおろした。
□輝ける客船
船籍としては建造以来約80年経つ、昭和初めの頃の生まれの
よぼよぼの爺さんなのだが、それを感じさせない位にテカテカ
に輝く客船なのだ。
比喩が悪いが、同じ乗り物でも、車や鉄道など昭和初め生まれ
と言われればなるほどと、おおよその時代経過が外見で想像出
来るが、舟と言うのは全く判らない。

オープンデッキに最初に目に映るのはなんといっても
富士山なのだ。
静かな三津浜港に浮かぶ仕掛け、その先に富士の
頭が空中に浮かび上がって、まるで幻想的な世界である。

確かに晴れてはいるものの、ガスが掛かって富士のすそ野
部分は見えず、頭だけがポッコリ顔を出し、ご覧のような姿に
なっているんだろう。
「富士山を身ながら、食事を」
そんなキャッチコピーがぴったりの適地であった。