脳なんて全く未知の世界、元々脳が悪いと自覚はしていたが、とうとう致命的な機能障害にまできてしまったかと、ショ
ッキングな宣告であった。
普段、あまり関心無かったが、この宣告から、脳に関する情報が駆け巡る。
脳は体の動き、感覚、記憶等担い、血液から供給される酸素が大量に必要とされる。
普段なんともなかったのがある日当然、出血や認知症など機能障害に繋がり、大変恐ろしい。
（長嶋茂雄）
極身近な所ではプロ野球で大活躍した長嶋茂雄が、現役、更に監督も務め、第一線を退いた後に突然脳梗塞となり、
一命を取り留めたが、語る言葉も平常とは遠く、重く、手足の動きも、不自由であった。
半身不随の現実の姿はまるで別人のようで、あの現役時代の鮮烈な華麗な姿が脳に鮮明に焼き付いていただけに、
遠い世界へ行ってしまった。
（友人の入院）
たまたま、近隣に住む同世代の友人が脳で障害を起こし、入院したことなど気になり、伺った。
障害発生時はどうも本人が異常を感じ無かったようであるが、普段との言葉の違いに、奥様が気づき、そのまま病院へ
行ったら、機能障害が判明し、そのまま入院された。
幸いにリハビリなどで復活し、自宅に戻られた。

路面に頭を撃つなどただ事ならぬ変事の遭遇に、何か体に影響を与えていないか、取敢えず掛かりつけの整形医に
行き、損傷を調べて貰った。
外傷など見たが、専門の整形の範囲では危急を要するこも無かった。しかし、念のため脳外科の診察を勧められた。

MRI検査は磁気を利用して体内の臓器を画像化する検査である。画像化する臓器は縦、横、斜め自由な角度に
スライスして検査される。スライスの間隔はミリ単位で測定で連続的に撮影し、病変部位を検出することが出来る。
磁気利用のため、体内に金属がある場合は影響するのでペースメーカいないかなど装着している場合はMRIは受
けられないなど制約もある。

＜愈々検査にかかる＞。
ベットに寝かされ、頭の部分は完全に拘束される。スルスルとベットが移動し、マンホールに頭を突っ込み、当初は
リズミカルなコンプレサー音が暫く続く。
継いで電磁波が覆いの外側を走り、バリバリとハンマーで叩かれるようなギャギャアと言う騒音が愈々計測開始される。
縦横、垂直と向きを変え画像データが収集される。
10～20分と休みなく続けられ、終わりましたの声でホットさせられる。拘禁状態を解放されるが、ひたすら検査に耐える
ことで、身構え、緊張が解けず、台から降りることも、ふらつき，平静ではなかった。
丸で人工衛星から地球上に回収され、地球上の大地に最初の一歩の踏み出しの感覚であった。

ＭＲＩで調べたが、幸いにして転倒事故による脳の損傷はなかった。
併せて脳全般について調べた結果、加齢で脳への血管がつまり気味のようで、脳みそ劣化から『隠れ脳梗塞』の可能
性を宣告された。
この事態にＭＲＩでは判らないため脳血流を調べる受診の指示があった。思わぬの急宣告に驚き、脳検査も新たな段
階取を迎え、敢えず検査の予約を取る。