□いよいよ、お縄頂戴

何時も通り抜けられる、団地の一角が、バリケードが建てられ、中に入れなくなった。
生活の拠点の一部としていた、何も判らずに、くぐり抜け自由に活動していたが、人の全く居なくなった
建物が廃墟のように残されていた。

間もなく、広大な団地を取り囲むように、パイプスタンドが一斉に建てられ、中の様子もこれで
見納めとなる。

パイプスタンドには工事用の無粋なフェンスが建てられ、いよいよ、ネズミ一匹通さぬ
刑務所のような高い壁が作られ、その一切が遮断される。
こうして馴染み深かった建物とその居住空間とも完全に隔離され、ベールの世界に入っていった。
その規模の大きさに周辺一体はこの壁に覆われ、ベルリンの壁に閉ざされた檻にいるような
町並みに一変した。