友好祭会場には道路を挟んでテントを張った店が南北に並び、食べ物、飲み物を中心に横田基地をイメージアップした
シャツ、帽子、記念品などが目白押しで並んでいる。
軍人、軍属が片言の日本語で呼びかけ、派手なゼスチャーで手招きする、陽気なヤンキー気質のアメリカ文化の真っ只中
に入る。

容赦なく、照りつける青空のもと、コンクリートが焼きつき、日陰のない会場は逃げ場もなくもろに暑いが、そんな中
で火を起こし、火の近くの灼熱地獄でステーキをご覧のように焼いている。
暑さ、匂い対策にアラビアのローレンスではないが、ターバンもどきの姿で顔を覆い、完全武装してもくもくと手焼き
する裏方など、派手な表役者とは別に友好祭を影で支えている人たちも大勢居る。
風もなく、物凄い煙が周辺を立ち込め、ステーキを焼く時の肉汁の香ばしい匂いが、嗅覚を通じて胃袋をいやがおう
でも刺激する。
普段尿酸値で厳しく、制限された肉類はほど遠い世界であるが、此処に入った途端に監視の届かない治外法権、
食欲の赴くまま、買い求める列に入ってしまう。

ご覧のように肉は大量に焼いているので、余り待たされず、ご覧の様なステーキは直ぐ買えた。
ステーキ、パン、トウモロコシのセットで1400円、生ビールが400円で締めて1800円のデイナーである。席は既に埋まっており
両手でビールと皿を抱え、周辺をウロウロするも、相席もまま成らず、遂に断念し、屋外の倉庫脇の僅かな日陰を見付け、地べた
に直に座り、ワイルドなデイナーが始まる。
地べたに前かがみになりながら、ステーキにナイフを入れる姿は惨めだが、周りを見ると、炎天下の道端に広げるものや、立った
ままコンクリートの台に皿を載せ、懸命にフォークを入れる痛ましい姿を見ると、未だこちらの方がましだった。
さて口に放り込んだ肉は勿論此処では、米国産の牛肉であろうが、筋を残し、固い歯触りに中々かみ切れず、どうみても余り美味
いとは言い難かった。味、食感にうるさい日本人の好みには遠いものとも思えたが・・・。
青天井の特別席は直ぐ近くに屋外のステージがあり、洗練されたrockがダイナミックに流され、心地よいリズムが響き、雰囲気作り
に一役かってくれる。コンクリートの固さが、もろに尾てい骨に伝わり、座り心地は悪いが、アメリカ文化に触れられるデイナーショー
であった。
独り占めした日陰の特別席も、次々に押しかける客に、目に留まり、瞬く間に埋まってしまった。