専用軌道内の砂利道に逞しく生える雑草が伸び放題である。
その合間にレールと枕木が雑草から浮き上がり、専用軌道の存在感を示している。
駅舎のホームから僅かな所に役割を終えた保線用トロッコが枕木を積んだまま無造作に放置されている。

駅舎から、専用軌道を行くと僅か１００ｍ程の所で簡便橋梁にかかる。
簡便橋梁にかかった専用軌道の先は完全に行く手を阻まれる藪の中であった。
専用軌道はそのまま続くのであろうが、その姿は完全に失われる位に旺盛な藪のジャングル
今にも熊が出てきそうな所であった。
その橋梁に二人用の足漕ぎ人力搬送のトロッコが赤錆びた姿をこの不毛な藪の中に向けてあった。
このサドルに気の合った二人で跨ぎ、思い切り蹴りながら、風を切って釧路湿原を走ったら気持ちが
良いだろうなあとも、思えたが・・・。
　

専用軌道脇の信号灯
自然のまま、勢い良く生い繁る雑草の中、覆いかぶさる雑草に半身埋もれている、信号灯。
その近くに僅かに顔を見せるレール。
廃線の運命に、その自然の赴くままに野草が生い繁り、既に見捨てられた鉄路と付属設備も何年後には完璧
に埋まってしまうのであろうか、まさに大地に埋もれて行く姿がとても寂しく映った。

「クワンクワン・・・々々」
叫べども警報音は静かな森の中に吸収されてしまいそうな静寂な場所にある。
専用軌道を横断する道路に列車の近接・通過を告げる警報装置
主の居なくなった現在でも、健在な姿を見せていた。
さてその踏み切りを横断する道はどの辺りなのであろうか、見えなくなってしまった。